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皆様こんにちは。辻村です。

今年も税制改正大綱が発表されました。

令和5年度与党税制改正大綱 (jimin.jp)

その中で特に気になったものをピックアップして簡単に解説&個人的な感想を書きたいと思います。

 

1.消費税(インボイス制度)

①小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置

令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日が属する課税期間において、小規模事業者(課税売上高が1,000万円以下の事業者)が課税事業者を選択した場合には、課税標準額に対する消費税額から控除する金額を、同消費税額の80%とすることとなりました。

1000万円の売上だとすると、受け取る消費税額は100万円、80%の80万円を控除できるので、納税額は20万円になります。現行の簡易課税制度の第2種事業と同様の計算になると思われます。

 

②課税売上高が1億円以下である事業者等のインボイス保存の免除

基準期間における課税売上高が1億円以下又は特定期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者が、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間に行う課税仕入れについて、その支払対価の額が1万円未満のものについては、インボイス保存がなくても帳簿保存のみで仕入税額控除が認められます。

現行の3万円未満の請求書等の保存の免除と同様かと思いますが、金額も異なりますし、対象となる事業者の課税売上高の判定の金額も現行の消費税法にはないものなので、また複雑になってしまいました。もうインボイス制度自体廃止にしてほしいです。

 

2.所得税

①NISAの抜本的拡充・恒久化

令和6年1月からつみたてNISAと一般NISAの併用が可能になり、年間投資上限が360万円になります。また、最大非課税限度額も合計1,800万円までに増加します。

投資をしている方にとってはうれしい改正だと思います。眠っている個人資産を貯蓄から投資に回すことを目的としていると思いますが、眠っている個人資産の多くを保有する60歳以上の方々がこの制度を使用してくれるかどうかが肝のように思えます。

 

②新たな付加税の創設

所得税額に対して、当分の間、1%の新たな付加税が課されます。その代わり現行の復興特別所得税の税率が1%引き下げられますが、適用される期間が延長になるので、増税です。最近話題の防衛費の確保を目的とする付加税になるのでしょうか。開始時期は未定です。

 

3.相続税・贈与税

①生前贈与加算期間の延長

現行では、相続開始前3年以内に贈与した財産については、相続財産に加算して相続税額を計算(払った贈与税額は控除)するものでしたが、その期間が7年に延長されます。ただし延長された4年間に贈与した財産については、その合計額から100万円を控除した金額を加算することになります。

年間100万円ではなく、4年間で100万円だけ控除できるようです。個人的には計算が複雑になるだけだし、いらないのではないかと思いますが、納税する立場になるとないよりはいいですね。

 

②相続時精算課税制度の見直し

相続時精算課税制度を活用しても110万円の基礎控除が適用できるようになり、当該制度がかなり活用しやすくなります。

これらの改正については、従前から資産の移転の時期により中立的な課税されていないことが問題視されており、個人的も一番気になっていました。相続時精算課税の基礎控除については、はじめ違和感がありましたが、年間110万円程度で相続時精算課税制度の適用件数が増加すれば、中立的な課税が実現するのではないかと思います。

 

③教育資金、結婚子育て資金の非課税延長

これらについては、廃止されるという噂が多かったのですが、延長が決定しました。

適用件数も年々減少していますし、個人的にはどちらでもいいかなと思います。

 

4.法人税

①新たな付加税の創設

所得税と同じく、新たな付加税が創設されます。法人税額に対して4%~4.5%の税率で課税されますが、中小法人に配慮し、課税標準となる法人税額から500万円が控除されます。

法人税額が500万円になるのは、800万円までの軽減税率を考慮すると、年間の課税所得が約2,450万円くらいなので、課税所得が2,450万円を超える法人が増税の対象になります。

開始時期は未定です。

 

その他にも毎年恒例の研究開発税制の改正もありますが、個人的に気になったのはこれくらいでした。

 

以上です。速報ですので、間違い等あればご指摘いただけると幸いです。

 

 

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