有限会社
太陽の丘薬局
元代表取締役/現相談役
鈴木 欣哉氏
株式会社
中村薬局
代表取締役/薬剤師
中村 貴徳氏
本別町国民健康保険病院に隣接し、長い間、調剤薬局として町民の健康を支えてきた「太陽の丘薬局」。後継者を探していた鈴木氏が、同業での新規出店を望んでいた「中村薬局」中村氏への譲渡を行ったのは、2019年8月のこと。調剤薬局同士の合併について、両氏にお話を伺いました。
それぞれの望みが合い
スムーズなM&Aを実現
- Q.
- 今回、M&Aに至った背景を教えてください
- 中村
- 私の会社では、もともと幕別町に「パーク薬局」、帯広市西地区に「パーク薬局西店」と2つの薬局を経営しています。「どこか新規で出店できるところはないか」と考えていたところ、2019年2月頃に有限会社太陽の丘薬局の鈴木さんが後継者を探しておられるという情報を得たことが最初のきっかけとなりました。
- 鈴木
- 以前から、将来は後継できる方に譲渡したいと考えていたんです。この薬局を経営して約20年になりますが、開業当初から、その想いは持ち続けていました。
- 中村
- 会社同士の合併になりますので、専門知識と確かな実績をお持ちのフロンティアパートナーグループに間に入っていただこうと考えました。私はM&Aに関しては素人ですし、普段は会社経営と同時に薬剤師としての役割もあります。フロンティアパートナーグループの進行のもと、約4か月の話し合いを経て、同年6月に私が「太陽の丘薬局」の代表となり、その2か月後、8月にM&A成立となりました。
- 鈴木
- 無事、成立した時は安心しました。一連の流れを思い返すと、フロンティアパートナーグループにきっちり進行してもらったことが、双方にとって非常に良かったですね。やはり、売り手にも買い手にもそれぞれ “落としどころ” というものがありますから、数字や科学的データを元に精査してもらったことは大きかったです。
「相談役」としての
心強いサポート
- Q.
- 中村さんは今回が初めてのM&Aだったとお聞きしました。
- 中村
- 自分ひとりでは、できませんでしたね。社長業と薬剤師をしながら、M&Aに向けて動くということを自ら行っていたとしたら、充分な時間もなく、進め方も分からず、かなり時間がかかっていたと思います。
- Q.
- 鈴木さんは現在も相談役として「太陽の丘薬局」に勤務されていますね。
- 中村
- 既存の2店は幕別町と帯広市ですから、本別町には知人もいませんでしたし、地理的な要素もあります。そういう意味で、鈴木さんに相談役として残っていただいたことはとても心強く、良い流れで仕事ができています。
- 鈴木
- 私の方は経営者を退いたことで、気持ちはずいぶん楽になりました。今は、会社を引き受けていただいたのですから「少しでも恩返ししたい」という想いで働いていますよ。
- 中村
- ありがとうございます。いつも本当に助けていただいているんです。
多店舗化で見えてきた
スケールメリット
- Q.
- 2019年8月のM&A成立後、感じられている効果はありますか?
- 中村
- 有限会社同士では合併できないというルールがありますから、今回のM&Aによって株式会社を設立しました。まず、そのことによって会社の格を上げられたことですね。また、多店舗化できたことで、例えば物品や薬剤購入時のスケールメリットが出てきていると感じています。
- Q.
- 現在取り組まれていること、また、今後の展望についてお聞かせください
- 中村
- この一年半ほどは「太陽の丘薬局」のハード面、これがあればより便利かな、と思うものを揃えてきました。これから、会社としてはソフト面を充実させていきたいと考えています。今後については地域に根ざした調剤薬局としての役割をより一層果たしていきたいですね。
- 鈴木
- 今の処方箋は、受診した病院に隣接する薬局でなくても薬を購入することができますからね。
- 中村
- 本別町の方の場合、他地域の専門病院を受診する方も多いので、受診後は町内に戻ってこちらに来ていただければ、待ち時間も少なくスムーズかもしれません。そういった地域の方の細かいニーズにも応えられる薬局を実現していきたいです。