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M&A基礎知識⑩ ~社員への事業承継(MBO)が難しい理由とは?~

M&A担当の坂井です。

事業承継を検討しているオーナー社長様の中には、社員への事業承継を希望される方も多いと思われます。
長年勤めて共に頑張ってきた社員であれば、信頼関係が構築されていますし、社内での納得も得られやすいでしょう。

ただ、実際には社員への事業承継は難しいことが多いです。
問題としては、大きく以下の3点があげられます。

①自社株式の買取資金の問題
自社株式を後継者に引き継ぐ場合、優良な会社であればあるほど株式価値が高くなっているケースがあります。
その自社株式の買い取り資金は、後継者が用意しなければなりません。
そのような多額の資金をサラリーマンであった社員が用意することは難しく、金融機関から借入をしようにもハードルがあります。

②借入の連帯保証の引継ぎや担保提供の問題
中小企業では、金融機関からの借入にオーナー社長が連帯保証人として加入しているケースがあります。
現オーナーが引退されて後継者に引き継ぐ場合、後継者へ保証人を切り替える必要があります。
また、現オーナーが個人で担保提供している場合には、解除してもらうことが困難なケースもあります。
このような場合、後継者候補である社員が債務保証や担保提供をすることに難色を示すことが多く、仮に後継者候補本人が納得した場合でも家族が反対することも多いのが実情です。

③経営能力の問題
社員・プレイヤーとしては優秀であっても、経営者として優秀であるとは限りません。
経営者であれば社内での調整はもちろん、金融機関や外部取引先との折衝を都度行い、経営判断をしていくことが要求されます。

このように、社員への事業承継は簡単ではないケースが多くなっています。
あらゆるケースに備え、M&Aに移行するシナリオも想定しておく必要があります。

M&Aに関する相談は、売り手様・買い手様問わず、無料で受付しております。
「他社からM&Aの提案を受けているが、問題はないだろうか」といったセカンドオピニオンによる意見や企業価値のシミュレーションも可能です。M&Aをご検討の際は、どうぞお気軽にお問合せください。
(お問合せ先:TEL:0155-24-3616 FAS部・坂井)

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